友へ

真っ白な紙に

ひとすじの影が切りこまれ

にじみだす血の色が

私の目を染める

ナイフを絵筆に己の背中をキャンバスに

絵を描きたいと願う友よ

ならば地を削れ

爪を立てよ

かみちぎれ

筋肉の収縮が骨を砕いても

うなり声が頭蓋を破裂させても

影は君を許さない

私は君の残骸を拾い集めて君の絵を閉じこめよう

 

君はどこまでも私を引きずってゆき

私はどこまでも君を追い立てる

 

死にかけた星を最後の足がかりに

別れの視線を交わして

生むために君は跳躍し

私は殺すために反転する

 

 

 

 

 

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